自動機・専用機の設計・製作

染谷精機では、お客様の生産現場に合わせた自動機・専用機の設計から製作までを行っています。溶着、組立、搬送、検査といった、これまで人の手で行ってきた工程を機械に置き換えることで、品質のばらつきを抑え、作業者の負担を減らすことができます。ここでは、自動機とはどのようなものか、どのような工程を自動化できるのか、製作までの流れと設計のポイントをご案内します。

自動機とは

自動機とは

自動機とは、決まった作業を機械が自動で繰り返し行う装置のことです。人が手作業で行っている工程を機械に置き換えることで、作業のばらつきをなくし、生産数を安定させることを目的としています。自動機には決まった形がありません。同じ「部品を組み付ける」工程でも、部品の形状、生産数、作業場所の広さによって、必要な機構はまったく異なります。そのため自動機は、既製品を購入するのではなく、その現場の工程に合わせて一台ずつ設計・製作するのが一般的です。専用機と呼ばれることもあります。

半自動機との違い

すべての工程を機械が行うものを自動機、一部に人の作業が残るものを半自動機と呼び分けることがあります。たとえば、部品をセットするのは人が行い、その後の加工と取り出しは機械が行う、といった形です。

工程のすべてを自動化しようとすると、装置が大きく複雑になり、費用も期間もかかります。人が行ったほうが早い工程はあえて残し、負担の大きい部分や品質がばらつく部分だけを機械に任せる。この切り分けが、費用対効果を大きく左右します。

汎用機・既製設備との違い

汎用機は、さまざまな製品に使える一般的な設備です。市販されているため導入しやすい一方で、自社の製品や工程にぴったり合うとは限らず、治具の追加や段取りの工夫で補うことになります。

自動機は、対象となる製品と工程が決まっているぶん、その作業に最適化できます。動作の順序、部品を送る方法、完成品を取り出す位置まで、現場の動きに合わせて決められます。既製の設備では対応しにくい工程がある場合や、製品の形状が特殊な場合に向いています。

自動機による省人化・省力化のメリット

自動機による省人化・省力化のメリット

自動機を導入する目的は、単に人を減らすことではありません。品質を安定させること、作業者の負担を減らすこと、限られた人員を有効に使うことが本来の狙いです。ここでは、実際に効果として現れやすい点を挙げます。

同じ作業手順・同じ品質で製品を作れる

手作業では、どうしても作業者ごとに手順や力の入れ方に差が出ます。同じ人が作業していても、時間帯や体調によって仕上がりが変わることもあります。

自動機は決められた動作を同じ条件で繰り返すため、こうしたばらつきが生じません。品質の安定は、不良品の削減だけでなく、検査工程の負担を軽くすることにもつながります。

作業者の肉体的な負担を軽減できる

同じ姿勢での繰り返し作業や、力を必要とする作業は、続けるほど身体への負担が蓄積します。腰や肩を痛めて長期の休みに入れば、生産計画そのものに影響します。

負担の大きい工程を機械に任せることで、作業者は監視や段取りといった負担の軽い作業に移れます。長く働き続けられる現場をつくるという意味でも、自動化は有効です。

1日に加工できる数を増やせる

機械は一定の速度で動き続けるため、生産数が計算できます。人の手作業では、集中力の変化によって処理数が変わることがありますが、自動機ではその差が生じません。

生産数が読めるようになると、納期の回答も正確になります。増産の相談を受けたときに、どこまで対応できるかを数字で判断できるようになります。

人員を空けて別の作業に時間を使える

自動化によって空いた人員は、別の工程に回すことができます。段取り替え、検査、新しい製品の立ち上げなど、人でなければできない作業に時間を使えるようになります。

人手不足が続くなかで、新たに人を雇うことは簡単ではありません。今いる人員をどこに配置するかを見直す手段として、自動化を検討される企業が増えています。

欠員によって生産が止まらない

その工程を担当できる人が一人しかいない場合、体調不良や急な用事で休まれると生産が止まります。属人化した工程は、現場にとって大きなリスクです。

自動機に置き換えられた工程は、担当者が変わっても同じ結果になります。作業を覚えるための教育期間も短くなり、人の入れ替わりに強い体制をつくれます。

人の作業では難しい加工ができる

人の手では力が足りない作業、狭くて手が届かない場所での作業、高温になる部分の作業など、そもそも手作業では難しい工程があります。

こうした工程は、機械のほうが確実で安全です。人が無理な姿勢で行っていた作業を機械に任せることで、品質と安全性を同時に高められます。

自動機で自動化できる工程

自動機で自動化できる工程

自動機で扱える工程は幅広く、製品の形状や生産数に応じて組み合わせます。ここでは代表的な工程をご紹介します。複数の工程を1台にまとめることも、工程ごとに分けることもできます。

溶着

樹脂の部品同士を熱や振動で接合する工程です。接着剤を使わずに固定できるため、乾燥を待つ必要がなく、工程を短くできます。

溶着は、押し付ける力と時間の管理が仕上がりを左右します。手作業では作業者による差が出やすい工程のため、自動化の効果が出やすい部分です。

組立・ねじ締め

部品どうしを組み合わせ、ねじで固定する工程です。ねじ締めでは、締め付ける強さ(トルク)の管理が重要になります。

自動機で行えば、すべてのねじを同じ強さで締められます。締め忘れや締めすぎを防げるため、後工程での手直しが減ります。

搬送・部品供給

部品を次の工程へ移す、決まった向きに揃えて供給するといった工程です。作業そのものは単純ですが、人が行うと時間がかかり、他の作業を中断させる原因にもなります。

搬送を自動化すると、工程どうしがつながって流れが止まりにくくなります。部品を運ぶために作業者が動く必要がなくなる点も、負担の軽減につながります。

塗布・貼り付け

接着剤やシール材を塗る工程、両面テープやシートを貼り付ける工程です。塗る量や貼る位置に精度が求められる場合、手作業では安定させることが難しくなります。

自動機であれば、決まった位置に決まった量を繰り返し施工できます。外観に影響する部分ほど、自動化の価値が高い工程です。

切断・カット

成形品の不要な部分を切り取る、決まった寸法に切り分けるといった工程です。刃物を扱うため、安全面からも機械化が望ましい作業です。

染谷精機では、樹脂成形品のトリミング加工にも対応しています。切断の工程を自動化する場合、金型と装置の両方を理解している必要があるため、まとめてご相談いただけます。

検査・検出

部品の有無、向き、寸法などをセンサーやカメラで確認する工程です。人の目による検査は、集中力の低下とともに見逃しが発生する可能性があります。

自動機に検査の機能を組み込めば、不良品を次の工程へ流さずに止められます。検査だけを行う装置として製作することもできます。画像認識によって良品と不良品を選別する装置にも対応しています。

箱詰め・包装

完成した製品を決まった数だけ箱に入れる、緩衝材とともに梱包するといった工程です。単純な作業ですが、数量の間違いは出荷後の問題に直結します。

数を数えて詰めるところまで機械に任せることで、数量違いを防げます。染谷精機では梱包用トレイや緩衝材の製作も行っているため、梱包の形状からご相談いただけます。

自動機に使われる主な機構

自動機に使われる主な機構

自動機は、いくつかの機構を組み合わせて構成します。どれを使うかは、扱う部品の形状や必要な速度によって決まります。ここでは代表的なものをご紹介します。

ロボット(スカラ・ロボットアーム)

決められた位置へ部品を移動させる機構です。水平方向の動作を得意とするスカラロボット、人の腕のように複数の関節で自由に動くロボットアームなどがあります。

動作をプログラムで変更できるため、製品が変わったときに対応しやすい点が特長です。一方で、単純な往復動作であれば、後述のコンベアやエアシリンダーのほうが安価で確実な場合もあります。

コンベア

部品や製品を一定の速度で運ぶ機構です。工程同士をつなぐ役割を担い、自動機の骨格になることが多い部分です。

ベルト式、ローラー式など種類があり、運ぶものの重さや形状に応じて選びます。搬送の速度は、前後の工程にかかる時間に合わせて決める必要があります。

パーツフィーダ

ばらばらに入れた小さな部品を、決まった向きに揃えて1つずつ送り出す機構です。ねじやリベットのような小物部品を扱う自動機では、多くの場合これが必要になります。

部品の形状によって、揃えるための構造を作り込む必要があります。この部分の設計が、装置全体の安定性を大きく左右します。

センサー

部品の有無、位置、通過などを検出する機構です。センサーからの信号をもとに、次の動作へ進むかどうかを判断します。

センサーを適切に配置しておくと、異常が起きたときに装置を安全に止められます。どこで何を検出するかは、不具合の起こり方を想定しながら決めていきます。

自動機の設計・製作の流れ

自動機の設計・製作の流れ

自動機は、現場の工程を理解するところから始まります。図面をいただいて作るのではなく、何に困っているのかを伺い、どこまでを機械に任せるかを一緒に決めていきます。

生産現場の調査・工程のヒアリング

まず、対象となる工程を実際に確認させていただきます。作業の手順、1日の生産数、作業に何人かかっているか、どこで時間がかかっているかを伺います。

このとき、作業をされている方から直接お話を伺えると、より実態に合った装置になります。書面の手順書には現れない工夫や、やりにくさが見えてくるためです。

仕様の検討・機構の検討

伺った内容をもとに、どの工程を自動化するか、どのような機構で実現するかを検討します。全工程を自動化するのか、一部を人が行う半自動にするのかも、この段階で決めます。

あわせて、おおよその費用と期間をご提示します。ご予算に合わせて、自動化する範囲を調整することも可能です。

設計・図面作成

仕様が固まったら、装置の設計に入ります。部品の配置、動作の順序、安全対策を検討しながら図面に落とし込みます。

設置場所の広さ、電源、周囲の設備との関係も考慮します。完成してから置けなかった、ということがないよう、事前に設置条件を確認します。

製作・組立

図面をもとに部品を加工し、装置として組み上げます。染谷精機では、切削加工をはじめとする部品の製作を社内および協力会社で行えるため、装置の部品づくりから対応できます。

市販の部品を使う部分と、専用に製作する部分を分けて考えます。すべてを製作すると費用がかさむため、既製品で足りるところは活用し、その現場でなければ成立しない部分に手をかけます。

テスト・調整

組み上がった装置に実際の部品を流し、想定どおりに動くかを確認します。動作の速度、部品を掴む力、センサーの反応などを、実物を見ながら調整します。

この段階で立ち会っていただき、実際の作業者の方に操作していただくこともできます。使いにくい点があれば、納入前に手直しします。

搬入・据付・動作テスト

装置をお客様の工場へ搬入し、設置します。電源をつなぎ、周囲の設備との位置関係を調整したうえで、現地で改めて動作を確認します。

輸送時の振動で調整がずれることもあるため、据付後のテストは欠かせません。操作方法や日常の点検についても、この場でご説明します。

納入後のフォロー

納入して終わりではありません。しばらく稼働させると、想定していなかった動きや、調整したい点が出てくることがあります。

染谷精機では納入後も状況を伺い、必要に応じて調整に伺います。生産する製品が変わったときの改造についても、ご相談いただけます。

自動機の設計で押さえるポイント

自動機の設計で押さえるポイント

自動機は、動けばよいというものではありません。安全に、止まらずに、長く使えることが求められます。設計段階で押さえておきたい点をご紹介します。

安全対策

自動で動く装置は、人が近づいたときに止まる仕組みが必要です。安全カバー、非常停止ボタン、人を検知して停止するセンサーなどを、装置の構造に応じて組み込みます。

安全対策は後から付け足すと、作業のしやすさを損なうことがあります。設計の初期から、どこに人が手を入れるのかを想定して検討することが大切です。

停止する頻度を減らす設計

自動機で問題になりやすいのが、短時間の停止が繰り返し起きることです。部品が詰まる、うまく掴めない、センサーが反応しないといった原因で装置が止まり、そのたびに人が対応することになります。

一回あたりは数十秒でも、一日に何度も起きれば大きな損失です。どこで止まりやすいかを想定し、部品の送り方や掴み方を工夫しておくことで、こうした停止を減らせます。

段取り替えのしやすさ

複数の製品を扱う現場では、製品を切り替えるたびに装置の設定を変える必要があります。この段取り替えに時間がかかると、自動化した効果が薄れてしまいます。

工具を使わずに部品を交換できる構造にする、設定値を記憶させておくなど、切り替えを短くする工夫を設計に織り込みます。

生産能力に見合った仕様にする

必要以上に速い装置を作ると、費用が上がるだけで効果は変わりません。逆に能力が足りなければ、増産に対応できなくなります。

現在の生産数と、今後の見込みを伺ったうえで、適切な能力を設定します。将来の増産を見越して、後から機構を追加できる構造にしておくこともあります。

染谷精機の自動機づくり

染谷精機の自動機づくり

染谷精機は金型メーカーとして、金型の設計・製作からプレス加工、組立、梱包までを手がけてきました。自動機の製作も、その延長にあります。

用途に合わせて一台ずつ設計・製作する

既製品の設備ではなく、お客様の工程に合わせて一台ずつ設計します。溶着機、工程用のロボット、検査装置など、必要とされる用途に応じて構成を決めます。

「この作業を楽にしたい」「この工程だけ人手が足りない」といった段階からご相談いただけます。図面がなくても、現場を拝見して仕様を組み立てます。

金型・加工・組立まで一貫して対応できる

自動機を設計するうえで難しいのは、扱う部品の性質を理解していないと、掴み方や送り方を決められないことです。金型の設計から加工、組立までを自社で行っているため、部品がどのようにできあがり、どこにばらつきが出るかを把握したうえで装置を設計できます。

樹脂・金属どちらの工程にも対応できる

金属のプレス加工と、樹脂成形品のトリミング加工の両方を手がけています。どちらか一方に偏らないため、樹脂と金属を組み合わせた製品の工程でもご相談いただけます。

また、50社を超える協力会社との連携があり、装置に必要な部品や表面処理についても社内で手配できます。工程ごとに発注先を探す手間がかかりません。

現場の作業者の使い勝手を優先する

染谷精機では、装置を実際に使う方の意見を大切にしています。管理される方の要望だけでなく、日々操作する方が使いやすいかどうかを確認しながら仕様を決めます。

使いにくい装置は、結局使われなくなります。せっかく導入した設備が現場で敬遠されることのないよう、操作のしやすさ、部品のセットのしやすさ、掃除や点検のしやすさまで考えて設計します。

これまでに製作した自動機

これまでに製作した装置の一例をご紹介します。

表皮の溶着装置は、樹脂成形品に表皮を溶着する工程を自動化したものです。それまでは作業者が手作業で行っていた工程で、同じ動作の繰り返しによる腱鞘炎などの負担がありました。この装置によって、身体への負担を減らしながら仕上がりを安定させています。

熱プレス機は、熱プレス加工を行うために独自に製作した装置です。この加工は大型のプレス設備でなければ対応できないと考えられていましたが、自社で装置から製作することで社内加工を可能にしました。

自動機のご相談は染谷精機へ

自動機の導入は、装置を買うことが目的ではなく、現場の課題を解決することが目的です。染谷精機では、まず何にお困りかを伺うところから始めています。

次のようなご相談を承っています。

  • 手作業のばらつきをなくして、品質を安定させたい
  • 作業者の負担が大きい工程を機械に置き換えたい
  • 特定の人しかできない工程があり、属人化を解消したい
  • 既製の設備では対応できない工程を自動化したい
  • 工程の一部だけを自動化して、費用を抑えたい

図面がない段階、どこまで自動化できるか分からない段階でも構いません。現場を拝見したうえで、どこまでを機械に任せるべきか、費用と効果のバランスを含めてご提案します。おおよそのご予算をお知らせいただけますと、その範囲に合わせた仕様をご検討できます。金型の製作からプレス加工、樹脂成形品の加工、組立、梱包まで手がけてきた会社として、現場の実情に合った自動機をご提案いたします。まずはお気軽にお問合せください。

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